先日2023年の東大入試が行われた。
自分は脳トレのような感覚で今も数学に触れ続けていて毎年入試問題は解いている。
年配者がナンプレで脳トレをしているのと同じような感覚である。
昔に比べると入試問題は易しくなっている。
(難しすぎて入試にならないと揶揄された時代もあった)
平成の30年余りを見渡すと多少の難易度の波はあるにせよ、おおまかに平成の始め10年間は難易度高めで平成の終わり10年間は難易度低めの印象である。
(2002年と2017年は例外)
2002年と2017年は何故あそこまで易問ばかり揃いも揃えて出題してしまったのかは甚だ疑問である。
(試験時間は150分であるが120分程度で6問完答出来るセットであった)
平成の終わり10年間はまるで医師国家試験のように受験者を合格させるための試験のようでもあった。
入試というのは一応は選抜試験なのであるから、もう少し骨のある出題にすべきだったのではなかろうか。
東大生の学力低下を教授たちが嘆いているという話も聞く。
おそらく自分が入学した頃もひとつ上の世代と比べれば学力が低下したと言われていたであろう。
ただ上位層に関しては昔も今も変わらず優秀な学生が集まっていてその割合は変わっていないと思う。
(年を追うごとに出来ない東大生の割合が増えているだけの話)
全科類の定員を1/10に減らせば学生の質を保てるが、それだけ定員削減するのは不可能であるから教授たちも歯がゆいであろう。
東大が平成は受験生の学力低下を鑑みて出題していたのかどうかは知る由もないが、令和なってからわずかながら毎年少しずつ難易度が上がってきていると感じていた。
(これ以上出来の悪い入学者を増やさないための東大の方針転換なのかもしれない)
今年も去年より少しだけ難易度が上がると思っていたのだが、2022年と2023年の難易度は変わらないと感じた。
昔のように“閃き・発想力”を要求する問題はなくなったにせよ、今後も去年や今年のような難易度に落ち着くのであれば、受験生の実力をみる点においても選抜試験という点においても適切なレベルなのではないかと思えた。
(個人的にはもう少しだけ難易度を上げた出題であれば更に良いと思う)
昨今の入試レベルであれば大数の学コンや宿題に取り組む必要はないかもしれない。
昔は超得意な人であっても6完というのは至難の業であったが今は超がつかなくとも得意なのであれば6完出来るセットであるので、得意な高校生は現状の成績に満足せずに学コンや宿題に取り組むなどして満点を狙うつもりで上を目指してほしいと思う。
今の入試問題でも十分難しいと思う東大受験生もいるだろう。
確かに自分は超がつくほどの得意科目ではあったが、数オリの国際大会で金メダルを取る人間と自分とでは明らかに脳の次元が違うと感じたものだ。
(銀メダルや銅メダルを取る人間とはやはり違うのである)
そういう次元の違う人間と比較しても始まらないので、自分がやるべきことに愚直に取り組むべきである。
中高一貫で塾任せであったので市販の参考書や問題集は使用しなかった。
(市販のもので使用したのは大数の学コンと宿題のみ)
学生時代に家庭教師をするまでチャート式や1対1のレベルがどの程度なのか知らなかったのだが、白チャートは公立高校が使用する文科省認定の教科書レベル、意外と難しいと言われている1対1が実際のところ平易な定期テストレベルだったと拍子抜けした記憶がある。
青チャートを使用している学校があるが、難しいようであれば先に白チャートを消化吸収する方が遠回りなようで近道だと思う。
(家庭教師のときに生徒にそうさせたことがある)
実力に見合わない問題ばかり取り組んたところでなかなか成績は上がらない。
まずは自分のレベル相応の問題を消化吸収してから次のレベルにステップアップしていくべきである。
背伸びする必要など一切ない。
筋トレ未経験者がいきなり100kgのベンチプレスを必死に頑張ったところでいつまでたっても持ち上がりはしない。
50kgからでもいい。
それすら持ち上がらないのであれば30kgでも20kgからでもいい。
持ち上がるようになってから重いウエイトにしていくのである。
それと同じである。
地盤がゆるゆるの場所に家を建ててもろくなことにはならないのである。
勉強に限ったことではないが基本は大事である。